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2014年11月29日土曜日

酒蔵のまちを歩く

佐賀県の南西部に位置する鹿島市。

鹿島といえば「祐徳さん」という言葉が返ってくるくらい
京都の清水の舞台を思わせる祐徳稲荷神社が有名である。

そして、宿場町の風情が残る肥前浜宿界隈。
白壁の土蔵や茅葺きの町家などが心をなごませてくれる。


また、佐賀平野は米どころでもあり、
良質の米と鹿島のまちにそそぐ多良山系からの良質な水を使い、
ここでは江戸時代から酒造りがさかんであった。

その清酒も焼酎の勢いに押され、ひところ消沈気味であった。

ところが、平成23年鹿島にある蔵元のひとつ富久千代酒造が
IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)という
世界最大規模・最高権威と評されるワインの品評会で
名誉チャンピオン・サケに輝いたのである。

もちろん、こうした栄誉は一朝一夕に降ってくるものではなく
蔵人たちの努力、研鑽、限りない愛があったことはまちがいない。


全国的にみても日本酒メーカーで元気があるのは、
アメリカはじめ国外への販路づくりに熱心な蔵元である。

安部総理が頻繁に海外へ出かけて政治的課題はじめ
様々な交渉にのぞむが、随行員の中に地元山口の
清酒メーカーの名前があったりすることにお気づきだろうか。


それはさておき、鹿島の蔵元がチャンピオン獲得とともに
始めたのは「鹿島酒蔵ツーリズム」である。

酒蔵めぐりとともに、鹿島にある宿場町の風情はじめ
歴史・文化・食・人情を味わって欲しいという企画である。


6つの蔵元の代表者と奥様(ご家族もありか?)の写真を
トップページにしたフェイスブックが開設されているが、
みなさんにこやかな表情で、ここに来れば美酒に出会える、
そんな気持ちにさせてくれるのである。

https://www.facebook.com/SakaguraTourism
鹿島酒蔵ツーリズム


2014年11月28日金曜日

なかなか感も、いいですね。

「あの建物、なかなかいいね」とつぶやいた時の
(なかなか)という言葉の意味合いを考えてみよう。

ものすごくいいわけではなく、テキトーにいいわけではない。

見過ごすわけにはいかない、一目置かざるをえない
そんな建物に敬意を表して、なかなかを発したわけだ。


このような人を唸らせる建物や景観などを
「なかなか遺産」に認定して後世に引き継いでいこう、
というのが国際「なかなか遺産」推進委員会の活動だ。

総合地球環境学研究所/東京大学生産技術研究所の村松伸氏と
東京大学生産技術研究所の腰原幹雄氏によって提唱されたもので、
二人はなかなか遺産の普及運動を推進されている。

ホームページが開設されていて、やんわりとした言葉で、
なかなか遺産の定義などが語られていて、なかなかおもしろい。

http://nakanakaisan.org/index.html
なかなか遺産ホームページ

ナニコレ珍百景と多少かぶるところがあるような気もするが、
ただ面白がって見るだけではなく次世代への継承という
フレーズが入っているところから、運動体とし育っていけば
なかなかの活動になるのかもしれない。


なかなか遺産の第一号には岩手県一関市旧達古袋小学校が認定され、
119メートルの長い廊下や校舎、校庭および小学校をつつむ
山や空や樹木までが、「なかなか」感を醸し出している。

認定されてから、見学で訪れる人も相次いでいるとか。


世界遺産に指定される「すごい」ものは数多くはないが、
なかなか感をいだくものは地域にありそうだし、
探検し、発見し、少しだけ学ぶことで地域が輝いていくにちがいない。

2014年11月27日木曜日

トンネルに光をあてる

「峠」という漢字は、実にわかりやすい形だ。
山の上と下、視覚的にも上と下の間が峠なんだとわかる。

列車や車が峠越えをしないで済むように
ショートカットしていくのがトンネルである。

鉄道全盛の頃はSLが黒煙を巻き上げて走り抜け、
なにかしらタイムトンネルを旅するような気分にひたれた。

自動車道のトンネルは現役のものが多いが、
列車のトンネルとなると廃線になったものは哀れである。

まわりの草は伸び放題で、入口の壁にも草が覆いかぶさり
中に一人で入っていくには、勇気を必要とする。


戦前にできたトンネルの工事には多くの人の汗が流され、
なかには作業中の事故で命を落とした人も多い。

そうした歴史を刻んだトンネルを見直し、活かそうというのが
NPO法人 愛岐トンネル群保存再生委員会である。

http://www.geocities.co.jp/ag_tunnel/index.htm
NPO法人 愛岐トンネル群保存再生委員会

愛知県の高蔵寺駅と岐阜県の多治見駅間のJR 中央線と庄内川
(玉野川・土岐川)を挟んだおよそ8 キロに及ぶ地域には、
旧国鉄時代の13 箇所ものトンネル群が残っているという。

こうしたトンネルという産業遺産に光をあてるとともに、
沿線に眠る玉野街道などの歴史遺産も掘り起こし、
広域住民に賢い利用を呼びかけるのが委員会の活動の主眼である。


トンネル見学会、トンネルコンサートなどトンネルに関わる
地域を人を巻き込んだイベントが定期的に開催されている。

その上、このNPOのすごいところは、保存再生のための募金活動を行い、
愛知県側のトンネル4基を含む廃線跡地16万1千平米の土地を
民間の地権者から買い上げたことである。

いわゆるナショナル・トラストを実現することで、
遺産の保存および再生活動を図ろうという気迫が伝わってくる。

2014年11月26日水曜日

石積みを学ぶ

コンクリートのない時代、その代わりとなるのは
自然石であって、橋や垣や擁壁などに使われた。

川面に映る石橋や天守閣を支える石垣は美しく、
重い石をよくも上手に組み上げたものだと感心する。

コンクリートで固めるよりも石積みにすると、
石と石の隙間が多様な生きものの住みかになるという。

また、弾力性があるので地震にも強く、再利用も可能である。


こうした石積みの良さや積み方を学ぶ「石積み学校」が
2013年3月から徳島県で開講した。

https://www.facebook.com/ishizumischool
    石積み学校FB

学校を立ち上げたのは、県内各地で石積みの修繕に取り組む
徳島大学大学院の真田純子助教(景観工学)で、
地元の石積み職人と一緒になって指導にあたる。

真田助教によると、石積み技術を持つ人・習いたい人・
直してほしい田畑を持つ人の三者のマッチングを狙ったもので、
修復できずに困っている人の田畑で修復作業を通じて技術を学び、
技術の継承と修復のボランティアを同時に行う複合的な目的を持つ。


考えてみれば、石積みに限らず大工仕事や農林水産業では、
代々受け継いできた技術が継承されることが少なくなり、
技術を必要としている人もあきらめざるを得ないケースが多い。

石積みの場合は里山の景観保全という意味からも秀逸のプロジェクトだ。

地方を車で走れば、ひところは風力発電の風車が林立し、
最近ではソーラーパネルが斜面を覆ってしまっている。

そんな中、石積みのある風景に出会うと、ひときわ心がなごむ。

2014年11月25日火曜日

マリコ人形、注目だよん。

アニメキャラとか地域のゆるキャラとか、
キャラクターを核にしたビジネスや地域活性化は数多い。

サンリオのキティちゃんに代表されるように
あたればビジネスチャンスは大きくふくらむし、
地域の活性にとっても利用価値が幅広いので重宝する。


ところが、現在のゆるキャラブームを見ていると、
もうひと味もふた味もひねらないと生き残りは難しい。

別に生き残らなくても、一時的な盛り上げ材料になれば
というのであれば、それでいいのかもしれない。

このように地域を背負ってしまうと、
関係者だけがキャラにぶらさがってしまうこともある。

また、地域を代表するにふさわしい…といった
予め設定された条件のもとで生まれるので、
いい意味でのアクがないのも残念である。


ところが、ここに紹介する「マリコ人形」。
なんだか妙に心に刺さる。

http://malico.jp/
マリコ人形

ちょっと不気味でキモかわいいマリコから、
「うまくいくわよん」とか「見逃しはだめよん」という
日本エレキテル連合あけみちゃん3号みたいな言葉を
かけられると、もう引き返すことができないような…


マリコは長野県富士見町在住の人形作家大御堂恵子さんが、
一体一体心をこめて作り、もうすぐ1000体に手が届く。

看護師や駅員、パン屋さんなど人物に扮したマリコがいるし、
ひつじマリコ、あんみつマリコ、マリコセロテープなど
なんにでも変身してしまう。

富士見町内でマリコの作品展が開かれたり、
町内のお店までマリコ人形を買いに来る客も多い。


こうした一アーティストのキャラによって、
地域が脚光を浴び、耳目を集めるケースもある。

要は、なぜマリコが今の時代に注目されるのか、
そのあたりのリサーチが必要なのかもしれない。

2014年11月24日月曜日

ヤギ・羊で半島を活性化

犬や猿などは集団をつくると、必ずボスが出て統治する。
しかし、羊はボスに導かれるのではなく、群れ自体で行動する。

それだけに、羊は人とのつきあいも古く、毛は衣類として
肉は食用として多くの恵みを与えてくれる。


このヤギや羊と一緒にエコな活動を行っているのが
長崎県の「島原半島ヤギ・羊ecoプロジェクト」だ。

https://www.facebook.com/ecoyagi
島原半島ヤギ・羊ecoプロジェクトFB

プロジェクトでは、以下のような活動に取り組んでいる。
1.荒廃地の除草
2.ヤギと羊のふれあいの場の確保
3.有明海のアオサの飼料化
4.羊を活用した地域特産品の開発

後継者がいなくなり、耕されなくなった田んぼや
種をまかれなくなった畑はすぐに雑草が繁茂し荒れ地となる。

そこにヤギや羊を放てば、人の手による除草の手間がなくなる。
ヤギや羊とふれあう場所を設けたり、刈り取った羊の毛から
ステキなファッションアイテムを生み出すことも可能である。

さらにおもしろいのは、島原半島をつつむかのような有明海に
繁茂するアナアオサを回収、洗浄しペレット状にすると、
羊などの家畜用飼料として活用できるというのである。


強いものが弱いものから搾り取るのではなく、
お互いが気持ちを通じ合わせ、ないところを補っていく。

そんな古来から築いてきた互助・共助の関係を活かしているのが、
本プロジェクトの取組なのである。

2014年11月22日土曜日

氷の世界を、さらに究めて

魚や野菜などを冷やさないといけない時に、
私たちは水をかけるとか、氷を入れることを思いつく。

家庭ではそれでOKなのだが、これが市場に荷揚げされた
大量の新鮮な魚だったらどうだろう。

もちろん、魚をトロ箱に入れ砕いた氷をドボドボというのが
今でも一般的に行われている方法である。


しかし、冷やされる魚の方はどうだろう。
キビナゴのような小魚だったら氷で魚体が傷つくこともある。

また、砕いた氷だと魚体との接触面が一様にならないために、
冷やしムラができるという欠点もあった。


そこで開発されたのが「スラリーアイス」という短時間で魚を冷却でき、
魚体を傷つけたり、冷やしムラもできないすぐれものだ。

http://www.izuitekkou.co.jp/slurryice.html
スラリーアイスの長所

スラリーというのは、いわばお粥のような状態のこと。

微小な氷粒子と塩水などの液体が混ざり合い、
流動性のある氷になったのがスラリーアイスである。
流動性があるから、スラリーアイスはホースからトロ箱へ
スピーディに投入することができる。


このスラリーアイスは高知工科大学と地元企業の産学連携で開発され、
土佐名物「ぴんぴ鰹のたたき」はじめ魚類の保冷に活用されている。

また、スラリーアイスは魚類だけではなく、くだものの濃縮果汁を
作る際にも利用できるということで大きな期待がかけられている。

2014年11月21日金曜日

物語をたどれば、人の思いへ。

ファストフードの食事ではなく、地域ごとに受け継がれてきた地元の食生活を見直し、
家族や友人との食事の時間を大切にしようというのが、
イタリア北部にあるブラという小さな町で生まれた「スローフード」運動である。

この運動が多くの人の共感を得て、暮らしやまちづくりを見つめ直す運動に広まり、
「スローライフ」という言葉が生まれた。


日本でもいろいろな団体や人によって取組まれている。
その中で2004年にNPO法人を立ち上げて現在に至っているのが
静岡県掛川市を拠点にさまざまな活動を続けているスローライフ掛川だ。

http://www.slowlife.info/
NPO法人スローライフ掛川

年度ごとの実績を見ていけばわかるが、
「スローな花火大会」「ライフスタイルデザインカレッジ」
「掛川栗焼酎プロジェクト」「早朝スロースタイルサイクリング」などなど、
とてもユニークで地域のモノやヒトと結んだプログラムである。


自主事業以外にも行政とタッグを組んだ共済事業や受託事業も多い。
その中で、オモシロイ!と感じたものが「掛川市地域資源の物語化事業」。

http://slowlife-k.wix.com/kakegawa-story
掛川市地域資源の物語化事業

この事業では「掛川の物語を旅してみようガイドマップ」を作り公開するもので、
(小夜の中山・日坂・東山・粟ヶ岳編)は「動画01~27」と「印刷物」が連動した
「QRコードつきマップ」となっている。

内容は掛川市「小夜の中山・日坂・東山・粟ヶ岳」のめぐり方や楽しみ方を、
「変わらぬ人の思い」をテーマに紹介している。


それぞれの動画コンテンツを見ていると、動画に登場する人々のあたたかさと
作り手さんのやさしさや心くばりが伝わってきて、スローな気分になる。

そして、ただ景色が美しいとか食べ物がおいしいだけではない、
景や食の中に息づく物語を上手に吸い上げて映像化しているのがすばらしい。

しかも、旅行会社も見習いたくなるようなコース紹介もわかりやすく便利だ。

まさに「物語にふれることは、人の思いにふれること」である。

2014年11月20日木曜日

かまぼこ板で、ピンポン

なるほどね、と思った。
かまぼこ板を使って卓球をするというアイデアである。

山口県長門市は仙崎かまぼこで有名である。
かまぼこといえば、当然のことながら板付きである。


そのかまぼこ板をラケット代わりにしてラージボールを打ち合う。
これが「仙崎かまぼこ板っ球大会」で、去る15日に開催された。

http://www.nanavi.jp/blog/archives/17796
「仙崎かまぼこ板っ球大会」の予告

ペア50組100人の参加者で盛り上がり、勝敗だけでなく
衣装やパフォーマンスで盛り上げた人にも特別賞が与えられた。


ひところ温泉卓球が話題を呼んだが、
全国の温泉地では、ラケット代わりにスリッパや風呂おけ、
鍋ぶた、入湯手形などを使って盛り上げている。

長門市の板っ球大会はかまぼこ板というのがユニークであり、
実際かまぼこを食べた後の板を思い切り捨てるのは
しのびがたいと思っている方も多いのではないだろうか。

卓球だけではなく、お正月の羽子板にもなりそうである。

あるいは、ファンが多い仙崎出身の詩人金子みすゞさんの
詩を刷り込んで付加価値をつけるといったものはいかが?


わずか15,1×5,3×1cmのかまぼこ板には、
まだまだ地域おこしのタネが蒔けそうである。

2014年11月19日水曜日

苦節30年、至高のキャビア

それは、まるで黒い宝石と呼ぶにふさわしい。
食材ではあるが、食べるのが惜しいような深い艶が美しい。

庶民の口にはなかなか入らないキャビアの多くは外国産だが、
宮崎県で30年の歳月をかけたジャパン・キャビアが昨年完成した。

30年前といえば1983年。
この年は東京ディズニーランドが開園した年であり、
NHKの朝の連続テレビ小説で「おしん」がブレイクした。


この年から、まさにおしんのような忍耐と頑張りで、
宮崎キャビア事業組合では国産キャビアの研究が続けられた。

5年後の昭和63年には、宮崎で育ったチョウザメから
初めてのキャビア製造にこぎつけている。


しかし、味覚や品質がまだまだ不十分だったのか研究は続く。

平成15年から23年までの9年間は世界基準のキャビア製造技術の
リサーチに6カ国をまわっている。

もちろんリサーチのかたわら研究は続けられているわけで、
平成16年に国内で初めてシロチョウザメの完全養殖に成功し、
平成24年にキャビア熟成技術を開発した。


キャビアはチョウザメの卵で、ただ取り出しただけではダメで、
熟成することによって、高貴で香り高い味が生まれるという。

世に10年ひと昔などというが、その3倍の歳月をかけただけあって、
宮崎キャビア1983は写真を見ただけで魅せられてしまう。

http://www.caviar.or.jp/about/
宮崎キャビア1983

味や香り、食感などできばえに関してプロから高い評価を得て、
市場投入と相成った。


キャビア効果が宮崎県をどう押し上げていくのか、
これからの30年をじっくり見つめいきたい。

2014年11月18日火曜日

ずっと心に残るのは…

「どこかの天体から人がきて地球の美しさを
 教えてやらねばならないはめになったとき、
 一番にこの種差海岸に案内してやろうとおもったりした」

青森県八戸市にある種差海岸の素晴らしさを作家司馬遼太郎は、こう綴っている。


無論、ここも先の大震災の被害を被ったが、復興へ向けて整備が進み、
八戸市の戦略的観光振興の拠点として地域の人たちの取組にも注目したい。

朝もやの中の海、朝日が登りはじめる頃の海、光りあふれる海、
暮れなずむ海、星の光の中でたゆたう海…

同じ場所でも時刻によって風景は変化し、見る人の心を魅了する。

ご当地の特産品といった食べものも、出されたままいただくのではなく、
歴史を訪ね生産や調理の現場に立ち会えば、味も変わってくる。

そうしたベストなタイミングで場所を訪れ食を楽しむためには、
その土地に住む人々の心からのおもてなしがなければできない。


八戸では今月7日に八戸観光コンベンション協会が企画して
「種差海岸魅力再発見」と称したモニターツアーを実施した。

いわゆる従来型のビューポイントやグルメなど定番体験ではなく、
寒い浜での月見会、女将さんから南部せんべいの焼き方を教わる、
波の音を聞きながらの早朝ヨガといったものである。

そして、女将さんに代表されるようにガイド役は地元の人が担当し、
訪れた人たちとの人間的なふれあいを深めていく。


旅のアルバムをめくっていると、地元の古老と話し込んだ、
中学生が走りながら名所へ案内してくれた…
などという記憶がないだろうか。

ずっと心に残るのは、その土地のそこに暮らす人との会話や
ふれあいである。

http://blog.livedoor.jp/kanko_hachinohe/
八戸観光ブログ

2014年11月17日月曜日

ベンチをつないで、心もつなぐ

ツィッターやフェイスブックなどITを通してつながるのもいいが、
やはりリアルな席で人と人が面と向き合うか隣り合うの関係もいい。

ツナベン…ツナをふんだんに使ったお弁当ではなく、
ツナガルベンチの略称である。

長さ70cmほどの小長椅子(ツナベン)を一つ、二つ、三つ…と
どんどんつないでいって、木と木だけではなく人と人もつながって
いこうというユニークな取組みだ。

http://tsunaben.jp/
ツナガルベンチ


このツナベンを自ら作り、つないでいくイベントを開催しているのが
岐阜県中津川市付知町で木に関わる仕事に携わる「ツナガルベンチの会」
のメンバーである。

座席に文字を書いたり絵を描いた思い思いのベンチを
長く長くつないで、なんと614台という記録を達成した。

長くつながったベンチに腰掛けて達成感と
くりひろげられるイベントに心をひとつにするのもいい。


ツナベンに使われているヒノキは地元材であり、
伊勢神宮の式年遷宮などにも、ここのヒノキが使われているという。


せっかくだから、ツナベンをキット化してイベント会場の
レンタル椅子として製品化するとか、
ミニツナベンなど家庭内でちょいと使える便利グッズにしたり、
記念品やみやげ品になるようにさらにミニチュア化したらどうだろう。

また、ツナベンに腰掛けて最前列から最後尾まで
何かをリレーしていくようなゲームを考えたら、
さらに盛り上がるかもしれない。

2014年11月15日土曜日

七島灘を越えたイ草が元気だ

日本の伝統的な内装材である畳を敷いた部屋は心がなごむ。

しかし、30~40年前くらいから洋風の間取りが増え、
新築の家で畳を敷いた和室の数は少ない。

そうなると、畳屋さんが少なくなり
畳表の原料であるイ草をつくる農家が減ってくる。


ところが、大分県国東半島だけで作られる「七島イ」が元気だ。

http://shitto.org/index.php
七島イ保存会

七島イとは七島藺草のことで、日本で畳表に使われているイ草とは異なり、
ふつうのイ草の切り口が丸いいのに七島イは三角である。

名前の七島とは鹿児島県のトカラ列島を意味する。
トカラ列島は10ほどの有人無人島が連なって琉球弧を成しているが、
このあたりの海域は七島灘とも呼ばれ海の難所だ。

その昔、琉球から七島灘を越えて国東半島に伝えられた七島イは、
藩の外貨を稼ぐ特産品となるほど農家の手で大事に育てられてきた。

10月に封切られた役所広司、岡田准一共演の『蜩ノ記』にも、
七島イが出てくる。


この幻のイ草ともいうべき七島イを永々と守り続け、
後継者を育て、新たな魅力づくりに取り組んでいるのが七島イ保存会。

ホームページを丹念に見ていくと、
定例会の開催、他の地区のまつりに参加しての実演販売、
七島イ工芸品の開発、大分空港に七島イのキッズコーナーOPEN、
七島イ織り手セミナー開催など地に足の着いた活動が継続されている。

畳表、土壁、障子、瓦、戸板など草、土、紙、木など
自然素材を使った和の建材に、もっと光をあてて欲しい。


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2014年11月14日金曜日

たたらの里が熱い

スタジオジブリ作品の中に「もののけ姫」がある。

物語に(たたら場)が出てきて、
ムラの女達が元気よくたたらを踏むシーンが印象的だった。

たたら場のモデルになったのは島根県の吉田村(現吉田町)
というのを聞いたことがあり、7~8年前に偶然通りかかり
展示館らしきものを見た覚えがある。

金銀銅鉄など金属は昔から重宝がられ、
統治者は鉱石が出る山をおさえ、厳しく管理した。


中国山地にはたたら場が多く、この歴史遺産を
まちおこしに活かそうという取組みもさかんである。


島根の隣の鳥取県日野郡には「奥日野たたらの里」があり、
たたらのことを詳しく学べる「たたらの楽校」が中心となって、
ふいご祭りを開催したり、たたら場探検を行ったりしている。

http://tatara21.com/
奥日野たたらの里

祭りでは紙芝居を使ったアトラクションがあり、
内容はたたらの時代にタイムスリップするメルヘン物や
『喜八郎の決断』『たたらの御引っ越し』という実話もので
見る人の好奇心をグイグイと引きこんでいく。

さらに、たたらをモチーフにした小説を発刊し、
その本を読んだ感想文を募集するなど
あの手この手で人々をたたらに巻き込んでいる。


鉄=たたらと聞くと強く、固く、熱いイメージで
活性化に関わっていらっしゃるメンバーも
熱い男性が多いように見受けられる。

しかし、その舞台裏では女性たちがたくましく
たたらを踏んでいらっしゃるにちがいない。


冒頭引用のもののけ姫の中で、
たたら場にやってきたアシタカのセリフ
「いい村は女性が元気だと聞いています」


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2014年11月13日木曜日

博物館でブライダル

「なんとまあ!」な顔写真である。

三重県総合博物館(通称みえむ)館長布谷和夫氏の表情が
なんともユーモラスで、失礼ながら笑ってしまった。

http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/MieMu/about_MieMu.htm
ようこそMieMu(みえむ)へ

みえむは今年4月に始動した総合博物館で
「ともに考え、活動し、成長する博物館」が理念である。

自由に見て、触って、聞くことができる体験展示はじめ
いつ来てもオモシロイことをやっている、をめざしている。


博物館、歴史資料館、図書館、水族館、動物園など
公私を問わず全国にはいろんな施設がある。

そうした施設で開催される大きな企画展は年2~3回だが、
みえむでは6回も開催する。

初年度とあって張り切り過ぎの感もあるが、
これが、いわゆる役所好みの「前例」になるのだから、
欲張ってくれた方が利用する側としては嬉しい。


その企画展の中で、来年1月から開催されるのが
「ふたりのウエディング事情」という、
えっ、博物館で婚活でも?と思わせぶりなタイトル。

館内で実際に結婚式をとり行うなど型破りのイベントもあり、
内容の詳細は蓋を開けての楽しみである。


こうした公的施設のチャレンジャラスな企画で、
民間企業や団体、さらには県民すべてを
がんがん巻き込んでいって欲しい。


イベントの成否は別として、熱い想いにマルをあげよう。

2014年11月12日水曜日

自転車に乗って、よみがえるもの。

昨日はスワクルという自転車をテーマにした話だったが、
今日は自転車を回想療法に使おうというもの。

排気ガスを出さずエコな乗り物である自転車は、
ふだんは通勤・通学・レジャーの足として親しんでいるが、
車のようにボディをつけたベロタクシーというものもある。

福岡や札幌市内ではNPO法人などが運営していて、
観光案内、手軽な市内散策、子どもや高齢者の送り迎えなどに
重宝がられている。

また、ボディには企業や商品の広告が入っていたり、
広告媒体としても目を引く存在である。

http://velotaxi-fuk.com/
福岡のベロタクシー


そのベロタクシーを認知症などの療法のひとつである
回想法にという試みもおもしろい。

タクシーに高齢者を乗せて、市内の有名な場所や
昔ながらの風景を楽しませ、往時を思い出してもらう。

昔よく行ったレストランから芳しい香りが流れてきたら…
商店街からなつかしい音楽が聞こえてきたら…

香りや味覚や音やシーンが五感をくすぐり、
忘れかけていた記憶がよみがえるかもしれない。

未来の夢を描くことで元気いっぱいになる若者がいて、
過去を取り戻すことで元気までいただく高齢者が生まれるのなら
まさに人の輪までまわりだすにちがいない。

http://www.voluntary.jp/weblog/myblog/782/37629#37629
「ベロタクシーを活用した回想法事業」概要

2014年11月11日火曜日

乗りたい自転車、走りたい場所

11月も3分の1が過ぎたのに、そんなに寒さを感じない。
秋晴れの空の下を自転車のペダルを踏んで散策するのも楽しい。

ロードレースやオフロード走行を楽しむ人もいれば
タンデムで観光地をのんびりという自転車好きも多い。


とりわけ風光明媚な観光地では環境にやさしい自転車がいい。


そんな観光のためと、土地で育まれてきた
ものづくりの資質を活かしたまちづくりが、
長野県の諏訪で取り組んでいる「スワクル」である。

http://www.suwacle.jp/
諏訪サイクルプロジェクト

諏訪サイクルプロジェクトを縮めてスワクルと称しているが、
フレームに木を使った自転車の生産、
親子で自転車づくりが楽しめるダンボールキックバイク組立キット、
景勝地で自転車とともに座れるクロスベンチの設置などなど。

また、諏訪湖ぐるっとサイクルマップの作成や
住民参加型のDIYイベントを開催したり、
人々の行動を促す仕掛けも起動している。


時計やIT機器など精密機器の製造で名を馳せる諏訪ならではの技を、
サイクルプロダクツに注ぎ込み、
そのプロダクツがすばらしい環境にとけこんでいくというイメージは
実にすばらしい考え方だと思う。


木製サイクルならぬ竹製のバンブーサイクルというのを
以前ネットで見た気がするが、
竹の里でもスワクルのようなまちづくりができるのではないだろうか。

2014年11月10日月曜日

地名にはワケがある

丹生というように「丹」の字がつく土地は、
硫化水銀を含む鉱物と関係があると、かつて学校で習った。

名は体を表すというが、柿の木坂は柿の木があっただろうし、
地名にはいわれがあって、掘り下げていくと新たな発見がある。


鹿児島県熊毛郡西之表市中割地区。
ここに「生姜山」という地名だけが残っていた。

その名の通り、ここではかつて生姜が栽培されていて、
集落にはそこそこの活気もあった。


年々過疎化の波が押し寄せ、人家が減り
いつしか地名だけが残るだけとなってしまった。

この「生姜山」という地名にに関心を持った遠藤祐未さんは、
持続可能な島おこしをとの思いで、生姜の復活に取り組んでいる。

生姜そのものの生産直売、南米エクアドル産のカカオで作ったチョコレートに
中割産ショウガを加えたジンジャーチョコレートを販売している。

また、種子島沿岸から汲み上げたミネラルたっぷりの海水や雨水を原水に、
なかわり地域で飼育されている黒毛和牛の糞尿から作られた堆肥、
そして微生物からできた活性水を農作物の栽培に使用している。


地域にすっぽり入って、こうした新たな資源の掘り起こしを行い、
その資源を栽培、商品化していくま作業は並大抵のことではできない。

遠藤さんはもともと西之表市出身だが、十数年故郷を離れていた。
そこで、まずふるさとの今や昔を学ぼうとコミュニティ・カフェをつくり
いろいろな情報を吸収していった。

そして、生姜山との出会い

地元の医学博士に相談したり、農園サポーターを募集したり、
いろんな力を結集しながらの地域おこしはすばらしい。

http://www.nakawari-gingerfarm.com/
なかわり生姜山農園

2014年11月9日日曜日

読書通帳に記帳する

本を月に何冊読むだろうか?
公立の図書館から年に何冊借りているだろうか?

公立の図書館も以前は一回で借りられる冊数は
2冊か3冊くらいだったが、今は5冊、10冊と大量に借りられる。

借りられるのはいいけれど、それが逆に積ん読を助長しかねない。
あるいは、速読ならぬ飛ばし読みはまだいい方で、
めくることしかしなかった本も多々ある。


だから、貸出冊数を少なくした方が、本のためにも
借りる人のためにもいいのかもしれない。


さて、貸す側である図書館も、武雄市立図書館の出現依頼、
いろんなサービスを考えるようになった。

開館時間の延長をはじめ、まずは来館者増をもくろんだ
試みを始めているところが多い。


紹介するのは、香川県の三豊市が始めた「読書通帳」である。
通帳に読んだ本を記帳していき、メモや評価も書き込める。

http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/education/20141105000391
読書通帳


単純なアイデアではあるが、
読後の本について感想をまとめるなんてことはあまりしないので、
通帳への記帳が増え、通帳が貯まっていくことに
喜びを覚える人も多いのではないだろうか。

さらに進めていけば、アマゾンではないけれど、
あなたにふさわしい本をおすすめします的な
サービスも可能になるにちがいない。

2014年11月7日金曜日

ブレずに楽しく、ワクワク感を創出

プラモデルにしろ鉄道模型にしろ
おもちゃというのは、
いくつになっても心をときめかせてくれる。

なかでもTAMIYAの名を聞けば、
居ても立ってもいられないという人も多いだろう。


静岡市には、TAMIYAやBANDAIなど
大手のホビーメーカーがある。

しかも、木製模型の時代から全国に名を馳せ、
優秀な模型職人が静岡に集まって
昭和31年には現在の静岡ホビーショーの先駆となる
「第一回生産者見本市」が開催されている。


そこに目をつけた静岡市は静岡茶、まぐろ、桜えびと並んで
ホビーに関する情報発信をしようと
静岡ホビースクエアを設けて活動してきた。

とりわけ、イベントゾーンでのイベントの開催が半端ではなく
ホビーファンならずとも行きたくなる。


たとえば、最近のイベントでは、
TAMIYA SHOWCASE 開催
向島由賀さん特別講座「プチシュータワー」を作ろう!
幼稚園の遊びと生活展 ~夢の国の世界を冒険しよう!~
といった具合である。


ファン層がひろいホビーだから、
そうした催しができるんだ、という人がいるかもしれない。

でも、実際の運営に関わっている人は、
たえず魅力づくりについて模索されているにちがいない。

と同時に、与えられたタスクを苦痛と感じるのではなく、
むしろ楽しみながら取り組んでいらっしゃるようにも見える。

なぜなら、ホームページの新着情報のところを読んだだけでも、
微に入り細にわたった心くばりとともに、
情報を発信する側の楽しさが感じられるからだ。


なんといっても、ワクワク感の創出とブレないコンセプト、
そしてスタッフが楽しんで推進していくというのは、
シティプロモーションの必須条件である。

http://hobbysquare.jp/news/
静岡ホビースクエア新着情報


2014年11月6日木曜日

境目から始める

以前、奄美大島の住用でマングローブの森を歩いた。

マングローブとは海と川が接する場所であって、
ここにはヒルギ類はじめいろんな動植物が生息している。

住用の場合、巨大なヤシガニ、巨大なシジミ、巨大なモダマなど
ジャンボサイズの生きものに驚いた記憶がある。

こうした自然がつくった淡水と海水が接する場所とともに、
人がつくった国と国の境もまたおもしろい場所だなと思う。


藩政時代は国境に関所があって、手形がないと通行できなかった。

世界を見れば、国境はもちろん州境などにも検問所があって、
いきなり武装した兵士に銃を突きつけられたりする。


国盗りに明け暮れた戦国時代を偲んでか、
境を接する隣県どうしで領土の争奪をかけて
綱引きなどを開催しているところがある。

今川VS武田の故事にちなんだ遠州対信州の国盗り綱引き。

http://www.at-s.com/news/detail/1174136095.html
国盗り綱引き

こうした催しは、文句なしに盛り上がる。

地域の運動会でも集落対抗のリレー競走とか、
背負っているものがあると力が入る。


対抗戦がきっかけになって越境交流が深まれば、
県だとか市だとか町といった行政区画にとらわれない
新たなアイデアが生まれるし、双方が盛り上がっていく。


ほとんどの自治体が姉妹都市盟約を結んでいるが、
名ばかりの形式的なつきあいで、
膝突き合わせた本気モードのやりとりは少ないのではないだろうか。

周辺部である境目から始めてみるのもおもしろい。

2014年11月5日水曜日

ダムカレー、ソーラーせんべい

最初に名前を聞いた時は「???」という感じだっった。

それは、黒部ダムで有名な「ダムカレー」。

B級グルメコンテストなどでしばしば目にし、
ネットで調べると、本家黒部のほか日吉ダム、小山ダム、
水上ダム、あの八ッ場ダムなど全国で20近くのダムカレーがあるという。

http://www.dam-net.jp/contents/daminfo_curry.html
水源地ネット


なぜ、ダムにカレーなのだろう?

難工事だった黒部ダム。
昭和32年5月、工事現場は大破砕帯にぶつかり毎分40トンもの出水にみまわれた。
水温は4℃という厳しい環境の中、工事は24時間体制の不眠不休で続けられた。
現場で冷えきった作業員の体を暖めてくれたのが
飯場で出るピリ辛カレーだったという。

いきなり黒部ダムカレーではなく、ちゃんと歴史に裏打ちされた
物語がカレーの中につづられている。

こうして黒部ダムカレーが生まれるのだが、ご飯は堰堤の形にすべし、
ルーは必ず堰堤の内側に流すべしなどの決まりがある。

http://kurobedam-curry.com/what/index.html
黒部ダムカレー

その他の地域のダムカレーも名前の通り、
まんなかにダムとおぼしき仕切りがあるのが特徴である。



ダムの周辺には桜並木や
秋に色づく木々が植えられていて花見や紅葉狩りのスポットが多い。

そこにあやかって、シーズン限定の花見弁当、紅葉狩りおむすびなどを
開発してはいかがなものだろうか?

あるいは、ガムやキャラメルなどのお菓子でダムのパーツを作り、
積み重ねていけばダムが完成するというのもおもしろいかもしれない。


いずれにしろ、どちらかというと無機的な人工物であるダムが、
アイデア次第で親しみやすくなるというのはいいことである。

橋とか風車とか、にわかに増えた太陽光発電の横にも
いろんなグルメやグッズがあっていい。

このセンベイは、目の前の太陽光パネルでできた電気で
焼き上げました、なんていう感じだろうか…

2014年11月4日火曜日

コツコツ、地道に一歩一歩

先を見据えながら、時代とともに
地域を変えていくことができるならば、
疲弊する割合も低いのだろうが、
現実はなかなかそうはいかない。


島根県の西に益田市という人口5万人ほどのまちがあり、
内陸部の中国山地に匹見町という地区がある。

今頃は表匹見峡の紅葉が見頃で観光客も多い。

この匹見町は近年UターンIターン者が増えつつあるという。
保育所の入所数が数年前の倍以上になった。


なぜか?

ひとつは東日本大震災によって関東圏から引越してきた人々。
そして、山、水、緑といった自然につつまれた中での
本物の田舎暮らしを夢見て移住した人々。

いくら理想の土地であったとしても
他の土地からやって来ると馴染むまでにはたいへんだが、
ここでは新・旧住民の垣根を取り除く方策もとられている。

そのひとつが保育所の保護者らでつくる子ども会「つちのこファミリー」で、
月一回、子育てや暮らしについての情報交換の場をもっている。

仕事の面では、ワサビという魅力的な産品があり、
美しい水と緑の中でワサビ栽培に取り組む人が多い。


理想に燃えて移住したのに地元民との折り合いがうまくいかず、
夢破れて都会へ帰ったという話はありがちだが、
定着率が高い匹見では、移住者の心を捉えるための地道な活動があった。

ここには、詳しく紹介できないが、
もともと出雲市内の新聞社に勤めていて、町誌編纂の縁で益田市に
お住いになり匹見町のまちづくりコーディネイターをされている
石橋留美子さんの下記の報告の中に語られている。
http://www.pref.shimane.lg.jp/npo/forum_2010_shimane/6th_subcommittee_meeting.html

2014年11月2日日曜日

シャッターを無用の長物に

「兵どもが夢の跡」「シャッター街」

そんな光景を目にすると、心まで沈んでしまう。
バブル景気がはじけた後のテーマパークの残骸、
扉を固く閉ざしたままの高級リゾートホテル…

街中やロードサイドにも、
すすけてぺんぺん草が生えた大型店の
哀れな姿を目にすることがある。


そうした夢の跡にも、黙々とひたむきに
地に足をつけてがんばっている地元の商店がある。


北海道室蘭市の中島地区。
鉄のまち室蘭の中心街も、一時期大型店舗が
こぞって進出してきたが、2年前にほぼ撤退。

このままでは、地域全体の活気が失われるということで
商店街はコンソーシアム(共同体)を組んで
にぎわいづくりに知恵をしぼり実行に移している。

「ふれあいサロンほっとな~る」を
商店街の活動や市民のふれあいの核として
イベントの開催はじめ多目的な活用を図っている。

また、加盟店それぞれが渾身の一品をおすすめする「一店逸品」、
商店主が講師となってプロの知識や技を伝授する「まちゼミ」の開催、
無料循環バス「お元気号」の運行、「お元気抽選会」、
さらには、ゆるキャラ「ほとなる君」によるPRなど元気いっぱいだ。

毎月発行の「中島こんそ通信」には近況報告と
翌月に開催されるイベントが掲載されていて、
地元をなんとかしたいという人々の熱い気持ちが伝わってくる。

http://www.nakajima-s.com/index.html
室蘭中島商店街HP


顔が見える、冗談が言える、心が通じ合う、
もしもの時はわがことのように相手を気づかう…

こうした関係まで深まれば、
シャッターは無用の長物になるのかもしれない。



蛇足だが、私は大学生の頃にサイクリングで室蘭を訪れたことがある。
青森港からフェリーで津軽海峡を渡り室蘭港に着いたのが夜の10時過ぎ。
寒い駅前でシュラーフをすっぽりかぶって寝た覚えがある。