コンクリートのない時代、その代わりとなるのは
自然石であって、橋や垣や擁壁などに使われた。
川面に映る石橋や天守閣を支える石垣は美しく、
重い石をよくも上手に組み上げたものだと感心する。
コンクリートで固めるよりも石積みにすると、
石と石の隙間が多様な生きものの住みかになるという。
また、弾力性があるので地震にも強く、再利用も可能である。
こうした石積みの良さや積み方を学ぶ「石積み学校」が
2013年3月から徳島県で開講した。
https://www.facebook.com/ishizumischool
石積み学校FB
学校を立ち上げたのは、県内各地で石積みの修繕に取り組む
徳島大学大学院の真田純子助教(景観工学)で、
地元の石積み職人と一緒になって指導にあたる。
真田助教によると、石積み技術を持つ人・習いたい人・
直してほしい田畑を持つ人の三者のマッチングを狙ったもので、
修復できずに困っている人の田畑で修復作業を通じて技術を学び、
技術の継承と修復のボランティアを同時に行う複合的な目的を持つ。
考えてみれば、石積みに限らず大工仕事や農林水産業では、
代々受け継いできた技術が継承されることが少なくなり、
技術を必要としている人もあきらめざるを得ないケースが多い。
石積みの場合は里山の景観保全という意味からも秀逸のプロジェクトだ。
地方を車で走れば、ひところは風力発電の風車が林立し、
最近ではソーラーパネルが斜面を覆ってしまっている。
そんな中、石積みのある風景に出会うと、ひときわ心がなごむ。
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