パスタなどを食べるなど現代の暮らしでは
西洋の様式になじんでいるせいか、
畳、障子、扇子、和紙など和のものにふれると心が落着く。
和のものが洋のものに比べてしっとりしたやさしさがある。
色も原色ではなく中間色が多く目にやさしい。
などなど和のものが好かれる理由はいろいろだが、
きものも、まさに和を代表する衣装のひとつだ。
大島紬、結城紬など日本を代表する絹織物は、
今もその伝統が受け継がれ、心をこめて織り上がっていく。
延喜式まで歴史をさかのぼることができる結城紬は、
2010年(平成22年)にはUNESCO無形文化遺産に登録された。
しかし、生産量は1970年代後半まで最盛期だったのだが、
現在は当時のおよそ20分の1まで落ち込んだ。
織元でも色や染の工夫、結城紬を使った携帯ケースなど小物の開発、
さらには革工房とのコラボでサメ皮の財布をつくるなど、
あの手この手の拡販策がとられている。
結城紬は全工程を覚え一人前になるまでに最低10年はかかるという。
そうした根気と忍耐の必要な仕事に今年4月から取組む女性がいる。
今泉亜季子さんで、彼女は栃木県小山市の職員である。
結城紬の伝承を目的に市が初めて採用した「紬織士」だ。
小山市の紬工房で、師匠の坂入さんから手ほどきを受けている。
今泉さんは幼い頃から手芸や裁縫が得意だったというだけあって、
のみこみが早く、9月には最初の一反を織り上げたという。
研修期間は4年と長く、完全習得に至るまでは大変だろうが、
こうした制度を行政がつくり、後継者を育てていくのは
いいことだと思う。
他の織物や匠の技を伝承していく業界では、
過去にこうした取組が行われたと思うが中座したものも多い。
熱意や創意を、長い期間持続させる仕掛けづくりは大変である。
http://www6.ocn.ne.jp/~oyamashi/tumugi-01.htm
結城紬
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