奈良県の生駒山を源流とする竜田川は百人一首にも登場する。
ちはやぶる神世も聞かず竜田川 からくれなゐに水くくるとは
という在原業平の歌で有名である。
この竜田川流域の生駒市と斑鳩町が、川ではなく、
ご当地料理の「竜田揚げ」に注目し、まちおこしの目玉にしようと活気づいている。
竜田揚げは、鶏肉や魚肉などを片栗粉にまぶして揚げた料理である。
肉の赤い色が秋を彩るモミジに、片栗粉の白は竜田川の流れに見立てられた
という風流な説が伝わっている。
そう言われれば、名前も味も香りもどこか気品を感じられ、思いは古都へ飛ぶ。
生駒市の観光協会では「市たつた揚げプロジェクト実行委員会」が立ち上がり、
いろんな企画を練っているところである。
斑鳩町の方でも若手経営者が竜田揚げに注目し、町内で竜田揚げを提供できるお店を、
現在の13店舗から30店舗に増やす予定だとか。
法隆寺近くのカフェでも竜田揚げランチを出し、人気を集めつつある。
明治の俳句の隆盛に力を尽くした正岡子規は、柿食へば鐘がなるなり法隆寺と詠んだが、
平成の歌人たちは、柿を竜田揚げに変えて秀句をのこすのであろうか?
http://www3.pref.nara.jp/miryoku/megurunara/item/8313.htm
斑鳩町 竜田揚げ
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