「地方の時代」という言葉はなつかしい。というか、手垢がつきすぎた。 中央VS地方の図式で見られ、ほとんどが地方の負け。 あまり負け続きじゃあ面白くないだろうと、 地方創生などといったおまじないの言葉で政府が地方をなぐさめる。 でも、そんなものはどこ吹く風で、がんばっている人たちがいる。 ないならないで、知恵を出す。知恵がなければ汗を流す。 ちょっと気になる地方をウォッチしてみたいと思う。
2016年9月30日金曜日
皿回しをスポーツに
大道芸でおなじみの皿回し。
回転力がなくなって落ちるんじゃないだろうか、
ハラハラドキドキ感が、見ている人の緊張を高め耳目を集中させる。
もちろん、演じる人も並々ならぬ苦労をして芸を体得したわけだが、
この皿回しをスポーツとして発展させたいと願う人がいる。
福岡県八幡東区の播本洋平さんで、先般「第1回スポーツ皿回し全国大会」
を開き、九州各地などから約20人が参加した。
参加者は5歳から80代までと幅広く、皿を回しながら走ったり、
皿を回す棒をあごにあてた状態で時間を競うものなど5種目の競技部門。
それに、制限時間4分以内で自由な技を披露するパフォーマンス部門があり、
妙技の数々が披露された。
見事、競技部門とパフォーマンス部門で優勝したのは神奈川県の26歳の男性。
どちらかというとマイナーな皿回しの認知度をアップできればと、
今後も大会を続けていくという。
http://www.megaegg.ne.jp/~kaiten/saramawasi.htm
一人13枚回しの大技
2016年9月28日水曜日
耐塩性あるバラ
宮城県名取市閖上地区。ここも東日本大震災で大きな津波被害を受けた。
海水が流入したために塩分が高くなり、その土地に適した草花や農産物を
植えないとうまく育ってくれない。
閖上地区の農事法人「小塚原ファームランド」では、今年5月に
「刺梨(ツーリー)」というバラの生産を始めた。
ツーリーは中国・貴州省から県内に伝わり、耐塩性が高く、
津波で浸水した土地でも容易に生産できる。
実は1株で500~1000個取れ、ビタミンCやポリフェノールが多く含まれる。
ツーリーの栽培にひと役買って出たのが宮城農高で、実の切り方や
袋詰の方法などノウハウを小塚原ファームランドへ提供した。
今月末には「バラの果実茶」として横浜市である催しで販売する。
閖上地区には震災で農業をやめたり、遊休地もたくさんある。
そうした被災地の農地復興の新星として、ツーリーの生産が
ひろがっていくことを期待したい。
http://this.kiji.is/151550653097051640?c=62479058578587648
宮城農高のノウハウ生かす
2016年9月27日火曜日
胸キュンのまちづくり
テーマは「初恋」といわれると、どんなことを想像するだろうか?
シンガーソングライターだった故村下孝蔵さんは、こう歌った。
「好きだよと言えずに 初恋は ふりこ細工の心
放課後の校庭を走る君がいた 遠くで僕はいつも君を探してた」
村下さんの故郷である熊本県水俣市では「初恋のまちづくり」が
スタートして、地元の高校生たちがさまざまなアイデアを出した。
初恋のまちづくり実行委員会は市民や高校生で組織され、
委員26名中の13人が高校生だ。
第1回の会合では、初恋にちなんだ甘酸っぱいスイーツを開発したら、
前掲の『初恋』の歌を若手バンドにアレンジしてもらってPRしては…
といったアイデアが出た。
水俣市の方では、昨年は音声ドラマ「初恋ポッドキャスト」を
ネット上で公開したり、全国から初恋エピソードを募集し
再会を演出するイベントなども実施した。
初恋…胸がキュンとする記憶だけに、面白いまちづくりができそうだ。
http://www.minamata-hatsukoi.com/
水俣「初恋」ポッドキャスト
2016年9月21日水曜日
戦国疑似体験
歴史ものは観光の目玉となるが、ただ見る、知るだけでは面白みがない。
そこで、当時の料理を味わったり、衣装を身に付けたり、
さらに戦国時代であれば武将や兵士になりきって戦いに参加する。
そういうふうに、濃い体験によって人は深い感動を覚える。
島根県松江市では戦国時代の城攻めを疑似体験するイベント
「鷹の爪団のSHIROZEME」が松江城周辺で開催された。
再現した高さ6メートルの門を台車に載せた棒で破る「大手門破り」や、
腕に付けたボールを命に見立て、ウレタン製の剣で落とし合う「白兵戦」
など実践もどきのアトラクションが開催された。
さらに、「謎解き古地図ツアー」というスマホアプリを活用した
ゲームを楽しみながら城周辺を散策するイベントも人気を集めた。
主催は松江市と島根ゆかりの人気アニメ「秘密結社 鷹の爪」を制作する
ディー・エル・イーなどで、去年に引き続き2回目の開催となった。
去年は地域の魅力を発信し、海外から集客するインバウンド対策のモデル
になると評価され、日本イベント産業振興協会主催の「JACEイベント
アワード」で最優秀の経済産業大臣賞に輝いた。
http://shirozeme.com/
鷹の爪団のSHIROZEME
2016年9月16日金曜日
先進政策
先進政策バンクなるものがある。
全国知事会が主催し、全国から登録された先進的な政策の中から、
有識者らが行財政改革や防災・危機管理、教育・文化など9分野の
1位を選定するものだ。
今年度の大賞に輝いたのは、岡山県の産業企画課が担当した
「商品開発マーケティング支援事業」だった。
どんな事業かというと、消費者ニーズの把握に欠かせない市場調査を、
ノウハウや費用に乏しい中小企業に代わって県が行うというもの。
すでに2013年からスタートしていて、多数のモニターを1カ所に集めて
試食・試飲する「会場調査」を県庁の会議室を利用して行っている。
モニターには県の職員に協力してもらう。
これまでに60回、述べ4600人ほどが参加し、80店の試食・試飲を行い、
調査結果を開発企業に提出している。
調査結果は、さらなる商品のブラッシュアップに活かされている。
なるほど、お金をかけずに企業支援ができる仕組みである。
http://www.nga.gr.jp/app/seisaku/
先進政策バンク 先進政策創造会議
2016年9月15日木曜日
400年前の知恵
東日本大震災、熊本地震と日本は全国いろんなところで地震が頻発し、
もしもの時のための備えが必要だ。
これは今に始まったことではなく、歴史をひもとけば事例に事欠かない。
地震被害が出るたびに、建物自体の構造を研究し、
強い揺れにもびくともしない耐震性の高い構造物が建てられるようになった。
耐震性とともに論じられるのが、いかに揺れを逃がすかという免震性。
礎石に柱をがっちり固定して耐震性を高めていくのか、
最初から礎石と柱を固定しないで柱が滑り動くことで免震性を高めるか。
福井県おおい町名田庄納田終にある薬師堂は1187年の創建とされる。
2度の火災の後、1617年に再再建され現在に至っている。
県の指定文化財で、舞鶴高専の教授が耐震性評価実験を行ったところ、
震度6強でも倒壊しないであろうとの結果が出た。
その理由は先に書いた礎石と柱が固定されていないので免震効果が出て、
建物の倒壊を防ぐという案配だ。
まだまだ先人の知恵を学ぶことがありそうである。
http://www.jssi.or.jp/menshin/
免震を知ろう
2016年9月14日水曜日
笑いを教える
泣くよりも笑っている方がいいし、暗い顔より明るい顔がいい。
笑いの効果については、以前本マガジンでも紹介したことがある。
たしか、どこかの病院の待合室でコントや漫才をやったりして、
患者さんの心をなごませるというものだったと思う。
さて、その笑いを笑いのプロである漫才師が「笑学(わらいく)」と題し、
小学校の子どもたちに伝授する取組みがある。
松竹芸能と福島第一原発事故の被災地である福島県飯舘村が連携して、
草野・飯樋・臼石の3つの小学校で授業が行われた。
お笑いコンビ「アメリカザリガニ」が講師を務め、漫才の仕組みを紹介し、
基本であるボケとツッコミについて実習を交えながらわかりやすく解説。
子どもたちの反応も上々で、来年度から村は「笑学」の本格的導入を検討、
導入されれば東北では初めてとなる。
余談だが「しくじり先生」というテレビ番組でオリラジの中田さんが、
笑いを入れながらむずかしい話をわかりやすく解説するコーナーがある。
どんな立派な授業でも、教わる側に理解してもらわないことには、
やっている意味がない。
https://www.facebook.com/waraiku/
松竹芸能「笑育」
2016年9月13日火曜日
地域課題をスポーツで解決
オリンピックなどのスポーツ競技は参加することに意義があるかしれないが、
やはりふだん鍛えた技や力を競い合うというのが興味の中心である。
何人勝ち抜いたか、どれだけのタイムで優勝したかなどなど、
競技ごとに着目するポイントがちがう。
また、他の人と競うことで、勝てば優越感にひたれるだろうし、
負ければ悔しさとともに自分の今後の糧にもなる。
そうしたスポーツの要素を取り入れて地域の課題解決をはかろうと、
茶どころである静岡県の牧之原市では、国際スポーツお茶摘み選手権を、
今度の日曜日に初めて開催する。
競技は茶園で遮光ネットをかぶせる速さを競う「かぶせ作業競争」と、
ネットを回収していく「巻き取り競争」、かぶせ茶の手摘み競争の3種目。
1チーム4人で競い、競技終了後は参加者自身が収穫した茶葉を
ホットプレートで手もみ体験し、「まきのはら茶づけ」にして味わう。
ヒントは雪かき選手権だそうだが、農作業や林業、漁業など人手の
足りない産業での重労働を、こうしたスポーツ化するのは面白い。
http://www.city.makinohara.shizuoka.jp/bg/sangyo/ent/8598.html
国際スポーツお茶摘み選手権
2016年9月12日月曜日
ポケモンで自殺防止
ややブームが去った感もあるポケモンGOだが、
夏休みはスマホ片手にポケモン探しに興じた人も多いことだろう。
当然のことながら、珍しいポケモンをゲットしたとなれば、
その情報が世界中を駆けめぐり、人が押し寄せてくる。
人が押し寄せてきて商売繁盛というところもあろうが、
原子力発電施設のように近寄ってほしくない所もある。
自殺の名所というありがたくない冠がつけられている場所がある。
福井県坂井市三国町は東尋坊もその一つである。
ところが、この夏は東尋坊で珍しいポケモンが出現するとの噂が広まり、
週末は100人ほどがスマホ片手に人がウロウロ。
そのせいか、8月の保護者(自殺志願者)はゼロだった。
あちこちに人がいることが自殺防止に役立ったわけだ。
これによって暗いイメージの東尋坊からポジティブに変わればと期待する。
しかし、無断駐車、煙草の吸殻やゴミのポイ捨てなどが多く、
ゲーマーのマナーも向上させなければ…
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160909-00010000-fukui-l18
東尋坊の自殺者ゼロに
2016年9月9日金曜日
B級グルメ開発
長野県の南部、中央自動車道沿いに北から伊那市、駒ヶ根市、飯田市と続く。
伊那市にはローメンという名物料理があり、駒ヶ根市はソースかつ丼が売りだ。
そして、飯田市というと…。地域を代表する名物料理がない。
そこでなんとかしようと、目をつけたのが「おたぐり」。
おたぐりとは、馬の腸を煮込んだ料理、つまり馬のモツ煮込みである。
このおたぐりを焼きそばの具材にしようということで、
できあがったのが「おたそば」。
飯田商工会議所青年部が昨年2月から開発を始め、何度も試行錯誤して、
たどり着いいたのが、塩だれとオイスターソースをベースにしたおたそば。
食感を良くするために、具材にはパプリカやハナビラタケを使い、
鉄板で炒めるとおたぐりの匂いが出るので、麺の上で炒めるという。
食欲の秋を迎えるこれからの季節、果たしておたそばはB級グルメとして
定着していくだろうか。
http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20160903/KT160902SJI090021000.php
目指せ飯田名物「おたそば」
2016年9月5日月曜日
残しま10(テン)
去年の12月頃、本ブログ125号「最初の30分、最後の10分」というタイトルで、
ホテルなどでの食べ残しを少なくする運動を取り上げた。
佐賀市役所が音頭を取って行っているもので「3010運動」だった。
趣旨は同じだが栃木県宇都宮市のもったいない運動推進本部が行うのは、
「もったいない残しま10!」運動である。
宴会スタート時に幹事が残しま宣言を行い、●初めの10分と最後の10分は
食べることに専念し残さず食べる ●食材は10割使いきり料理も10割食べる。
さらに、徹底しているのは何もホテルなどの宴会だけではなく、
家庭では食材を使い切り、食事を食べ切る、小売店などでは賞味期限が
近い商品は値引きして販売するなど全方向に向けての運動である。
食べ物を残さないことで、必然的にゴミの量も減ってくる。
http://www.u-mottainai.com/
もったいない運動市民会議
2016年9月2日金曜日
ブランドアップに天皇の料理番
昨年だったか「天皇の料理番」というドラマが放映された。
主人公は福井県越前市出身の秋山徳蔵で、徳蔵は東京で修行した後
ヨーロッパへ渡って腕を磨き、半世紀にわたって天皇の料理番を務めた。
徳蔵の功績を地域の食のイメージアップにつなげようと、
越前市では「秋山徳蔵トリビュートセレクション」というブランド事業を開始。
まずは、トリビュートセレクションにふさわしい商品の選定会を定期的に開く。
審査員は徳蔵の弟子で宮内庁大膳課にいた谷部金次郎さん。
天皇の料理番のお墨付きですよ、というわけだ。
認定されると、販売時に「天皇の料理番 秋山徳蔵トリビュートセレクション」
の称号やロゴが使用できるようになるし、生産量を確保できるものは
西武が全国展開するギフトカタログの商品に加わるという。
無名なものをブランドに育て上げるには並々ならない苦労を伴うが、
今回のようにあるていど名の通ったものをブランド化し、
商品を揃えていくという手法はおもしろい。
考えてみれば「天皇」という言葉は商品名や販促物にほとんど使われた
ことがなかったのではないだろうか。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160826-00010000-fukui-l18
秋山徳蔵で地域のイメージアップ 越前市で食ブランド事業スタート
2016年9月1日木曜日
未来へ走り続ける
仙台市には「仙台ミラソン」というユニークな取組みがある。
ミラソンとは未来とマラソンを掛けた造語で、2012年度から始めた
若者向け人材育成事業だ。
毎年夏から半年かけて、学生らが市職員のアドバイスを受けながら、
地域の課題と解決策を考える。
若者は生の行政の現場を知ることができるし、市職員が若者の
自由なアイデアを取り入れることができる。
これまでに自転車交通ルール周知のためのLINE(ライン)用のスタンプ、
市街地を舞台にした体験型脱出ゲームなどのアイデアを形にしてきた。
今年も市内外の35人の若者が集まり7つのテーマについて実地調査や
市職員との意見交換を実施する。
仙台市が未来へ向かってどう走っていくのか楽しみである。
http://this.kiji.is/141654925986137588?c=75768590128873475
地域課題解決 若者が発案「ミラソン」成果
登録:
投稿 (Atom)